マハラノビス距離とは
マハラノビス距離とは、データの分散と相関構造を考慮して計算される多変量距離尺度です。データ分布の形状(楕円形)に沿った距離計算が可能となり、外れ値検出や異常検知で高い性能を発揮します。
この用語はG検定シラバスの「37. 数理・統計」に含まれます。 章全体の用語は用語解説⑥(全52語)にまとまっています。
一言でいうと
データの散らばり方を考慮して測る距離。分布の形に沿った評価ができます。
ユークリッド距離との違い
まず身近な例で考えます。「身長が高い人は体重も重い」という関係があるとき、身長180cmで体重75kgの人は普通です。しかし身長180cmで体重45kgなら「そんな人はめったにいない」と感じます。
ところが平均(170cm・65kg)からのものさし上の距離だけを測ると、この2人は同じくらいになってしまいます。これがユークリッド距離の限界です。
マハラノビス距離は「データがどう広がっているか」を考えに入れて距離を測ります。よくある組み合わせなら近く、めずらしい組み合わせなら遠く評価されます。
仕組みとしては次のようになります。
- 相関が強い方向の距離は相対的に短く評価
- ばらつきの小さい方向の距離は相対的に長く評価
結果として等距離線がデータの広がりに沿った楕円形になります。
なぜ異常検知に強いのか
身長と体重のように相関するデータで考えます。「身長180cm・体重50kg」はどちらの値も単独では異常ではありません。しかし組み合わせとしては不自然です。
ユークリッド距離ではこれを検出できません。マハラノビス距離なら相関から外れていることを距離の大きさとして捉えられます。共分散の構造を利用しているためです。
使うときの前提
マハラノビス距離を求めるには分散共分散行列が必要です。これはデータから推定します。
そのため次のような制約があります。
- データが少ないと推定が不安定になる
- 次元数がデータ数に比べて多いと計算できない場合がある
十分なデータがあって初めて活きる手法です。手元のデータが限られるときはユークリッド距離と標準化の組み合わせが現実的な選択になります。
混同しやすい用語との違い
| 用語 | ポイント |
|---|---|
| マハラノビス距離 | 分散と相関を考慮。楕円形 |
| ユークリッド距離 | 各次元を独立に扱う。円形 |
🎯 G検定での押さえどころ
- 分散と相関構造を考慮する距離
- 等距離線が楕円形になる
- 外れ値検出・異常検知で高性能
⚠️ よくある誤りの選択肢
- 「マハラノビス距離は各次元を独立に扱う」→ 誤り。相関構造を考慮します
📘 もっと深く学ぶ
- 数式レベルまで踏み込んだ解説 → 医療AIナビ「距離計算」(E資格向け)
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