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G検定とは? 医療従事者向けに30秒で説明
G検定(ジェネラリスト検定)は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、AIを「作る人」ではなく「使いこなし、活かす人」のための検定試験です。プログラミングは出題されません。AIの仕組み・できることとできないこと・法律や倫理——「AIと正しく付き合うための教養」を問う試験で、受験資格の制限はなく、誰でも受験できます。
| 項目 | 内容(2026年) |
|---|---|
| 実施回数 | オンライン試験 年6回 + 会場試験 年3回 |
| 試験形式 | 多肢選択式・小問145問程度(オンライン100分/会場120分) |
| 受験資格 | 制限なし(自宅のPCで受験可能) |
| 受験料 | 一般 13,200円/学生 5,500円(税込) |
| 出題範囲 | 現行シラバス(2024年第6回から適用) |
| 直近の日程 | 2026年第5回:9月5日(土)オンライン(会場は9月4日〜6日)※申込は8月28日まで 2026年第6回:11月6日(金)・7日(土) |
姉妹資格のE資格が「AIを実装するエンジニア向け」であるのに対し、G検定は非エンジニアが主役の試験です。医療の言葉でいえば、「治療手技を執刀医レベルで習得する」のがE資格、「適応と禁忌・リスクを理解して適切にオーダー・連携できるようになる」のがG検定、というイメージが近いかもしれません。
データで見るG検定 — 受験者は増加、合格率は7〜8割
まず、G検定がいまどんな試験になっているのかを、JDLAの公式発表からデータで見てみましょう。以下は、直近9回(2025年第1回〜2026年第3回)の受験者数と合格率をまとめたグラフです。
グラフから読み取れるポイントは3つです。
- 受験者は増加基調——2025年第1回の4,633名に対し、2026年第2回は12,027名と大きく伸びています。生成AIの普及で「AIリテラシーを形にしたい」というニーズが高まっていることがうかがえます
- 合格率は73〜82%で推移——直近9回の合格率は73.69%〜82.40%。しっかり準備すれば十分に合格を狙える水準です
- 歴史のある試験に育った——2017年の初回試験(受験者1,448名・合格者823名)から成長を続け、2025年春に累計合格者10万人を突破。2026年第3回時点で累計受験者は21万名、累計合格者は約14.9万名に達しています
💡 オンラインと会場で合格率が違う?
2026年第3回では、オンライン試験の合格率85.02%に対し、会場試験は70.29%と差がありました(JDLA公式発表)。オンライン試験は自宅で参考書を手元に置いて受験できる形式ですが、後述のとおり145問を100分で解く時間との勝負なので、「調べながら解けば受かる」ほど甘くはありません。
医療・福祉業の合格者は1.11% — この数字が意味すること
この記事でいちばんお伝えしたいのが、この数字です。JDLAが公表した2026年第3回の合格者属性によると、合格者6,843名のうち、医療・福祉業はわずか1.11%(76名)でした。
IT系や金融が上位を占めるのは自然な結果ですが、注目すべきは「AI導入がこれだけ話題になっている医療の現場から、まだほとんど受験されていない」という事実です。日本の就業者のうち医療・福祉分野はおよそ7人に1人(約13〜14%)を占める巨大な業界であることを考えると、この1.11%は際立って小さい数字です。
見方を変えれば、これは「空白地帯」です。当サイトのブログでも紹介してきたように、病院への生成AI導入は2026年に入って加速しています。AIベンダーとの打ち合わせ、院内のガイドライン整備、現場スタッフへの説明——「AIの言葉と医療の言葉の両方を話せる人」が必要な場面は確実に増えていくのに、その候補者がまだ圧倒的に少ない。いま学び始める医療従事者には、それだけで希少性が生まれる——データが示しているのは、そういうことだと考えています。
医療従事者がG検定で得られる3つのもの
① AIベンダー・情報部門と「対等に話せる」共通言語
「このAIの感度と特異度は?」「学習データはどの施設のもの?」「過学習の検証は?」——G検定の学習範囲は、そのままAI製品を評価するときの質問リストになります。導入検討の場で、営業資料をうのみにせず、現場の代表として適切な質問ができる。これは診療科や職種を問わず価値のあるスキルです。
② AI倫理・法律・ガイドラインの体系的な知識
G検定のシラバスには、AIの倫理・法律・社会実装の論点が含まれています。個人情報の扱い、AIの判断責任、バイアスの問題——これらは医療従事者が日常的に向き合う課題とまっすぐ地続きです。「なんとなく不安」を「論点を挙げて議論できる」に変えられるのは、現場で大きな強みになります。
③ 学び直しの「最初の一歩」としての設計図
AIを学びたいと思っても、何から手を付けるべきか分からない——という声をよく聞きます。G検定のシラバスは、AI分野の全体像を網羅した「学習の地図」としてよくできています。検定合格をひとつのマイルストーンにすることで、独学が続かない問題も乗り越えやすくなります。合格後にもっと深く実装まで学びたくなったら、E資格やPython学習へ進む道もあります。
⚠ 正直に書いておくと
G検定を取れば昇給する・転職できる、といった直接的な効果を保証するものではありません。医療系の国家資格と違い、業務独占資格でもありません。価値の本質は「肩書き」ではなく、AIの議論に参加するための土台知識が体系的に身につくこと——その学習過程そのものにあります。
難しさの正体は「範囲の広さ」と「時間」
合格率7〜8割と聞くと簡単そうに思えますが、受験した人の多くが「思ったより大変だった」と口をそろえます。難しさの正体は2つです。
- 範囲が広い——AIの歴史から機械学習・ディープラーニングの仕組み、法律・倫理まで。現行シラバスの用語をすべて数えると約500語に及びます。1つ1つは深くなくても、「広く浅く確実に」が求められます
- 時間が足りない——オンライン試験は100分で145問程度。単純計算で1問あたり約41秒です。「調べれば分かる」問題でも、調べている時間はほぼありません。即答できる知識の量が合否を分けます
ただし、医療従事者には有利な点もあります。国家試験や認定資格で「広い範囲を体系的に暗記し、選択肢問題を時間内に処理する」訓練を積んできた人が多いこと。そして、感度・特異度・ROC曲線といった統計・評価まわりの出題は、医療系の学部教育や臨床での検査値の解釈と直結していることです。ここは初学者のIT系受験者より、むしろ一歩リードできる領域です。
医療従事者のための勉強ロードマップ
当サイトには、G検定対策を無料で進められるコンテンツが揃っています。医療従事者を想定した進め方は次の4ステップです。
- 全体像をつかむ——G検定 試験内容解説で8分野の構成を確認。まず「何を学ぶのか」の地図を持ちます
- 用語を確実に——分野別の用語解説(約500語・覚えたチェック機能つき)を通勤時間などのスキマ時間で回します。試験の主戦場はここです
- 難所は「動かして」理解——ROC曲線・ベイズの定理・k-means・過学習など、文字だけでは頭に入りにくい概念はAI学習シミュレータ集(無料)でスライダーを動かしながら直感をつかみます。特にベイズの定理シミュレータは検査の陽性的中率がテーマなので、医療従事者ならすぐ腑に落ちるはずです
- 本番形式で腕試し——仕上げに模擬試験で「145問を時間内に処理する」感覚を身につけます。当サイトでは本番と同形式のG検定実践模試(note)を用意しています
💡 学習期間の目安は?
必要な学習時間は前提知識によって大きく変わるため一概には言えませんが、平日にスキマ時間・休日にまとめて学習するスタイルなら、1〜2か月前から準備を始める計画が現実的です。2026年第5回(9月5日)は申込が8月28日まで、第6回は11月6日・7日開催です。「次の回」を具体的な目標に置くと、学習のペースが作りやすくなります。
よくある質問
Q. 数学が苦手でも大丈夫?
E資格と違い、G検定で数式を導出させる問題はほぼありません。ただし「学習率とは何か」「なぜ過学習が起きるか」といった概念の理解は問われます。数式を覚えるのではなく、シミュレータなどで「動き」として理解しておくのがおすすめです。
Q. 文系・非エンジニアでも受かる?
G検定はそもそも非エンジニアが主対象の試験です。合格者の職種も営業・販売、総務・人事など多岐にわたることがJDLAから公表されています。プログラミング経験は必要ありません。
Q. 医療現場ですぐ役立つ?
「検定に受かった瞬間に業務が変わる」ものではありません。ただ、院内にAI関連の話題が持ち込まれたとき——電子カルテ更新、AI搭載機器の導入検討、生成AIの利用ルール作りなど——に「分かる側」として参加できる準備になります。導入が本格化してから学び始めるより、ずっと有利です。
Q. どの回で受けるのがいい?
2026年は残り2回、第5回が9月5日(土)(申込8月28日まで)、第6回が11月6日(金)・7日(土)です。この記事を読んだタイミングで1〜2か月先の回を選ぶのが目安です。最新の日程・申込方法はJDLA公式サイトで必ずご確認ください。
まとめ
- G検定はAIを「使いこなす人」のための検定。受験資格なし・自宅受験可・年6回のオンライン試験(2026年)
- 受験者は増加基調で、合格率は直近9回で73〜82%。準備すれば十分に狙える試験
- 合格者のうち医療・福祉業はわずか1.11%——医療現場へのAI導入が進む一方で、「AIと話せる医療従事者」はまだ希少
- 医療従事者は統計・評価指標の素地と試験慣れという強みを持っている
- 勉強は「全体像→用語→シミュレータで直感→模試」の4ステップで
AIは医療従事者の仕事を奪うものではなく、道具です。ただし、道具は「使い方と限界を知っている人」の手でこそ安全に力を発揮します。合格者の1.11%という数字は、裏を返せば「今から学び始める価値」の大きさそのもの。この記事が、最初の一歩のきっかけになれば嬉しいです。
📚 本記事のデータ出典(いずれもJDLA公式発表)
受験者数・合格者数・合格率・合格者属性は、日本ディープラーニング協会(JDLA)の各回開催結果リリース(2026年第3回・2026年第2回・2026年第1回・2025年第1回〜第6回の各発表)、累計合格者10万人突破リリース、2026年開催スケジュール、およびG検定公式ページに基づきます(2026年7月18日確認)。就業者に占める医療・福祉分野の割合は総務省統計局の労働力調査に基づく概数です。
G検定 実践模試で腕試し(全145問・図解解説つき)
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