G検定対策

法律・倫理分野

⑦ AIに関する法律と契約

G検定シラバス2024の「AIに関する法律と契約」に含まれる全39用語を、試験で問われるポイントに絞って解説します。NEW はシラバス2024で新たに追加されたキーワードです。

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🔗 カード内の「より理解を深めたい方はこちら」等のリンクはE資格レベルの発展解説です。G検定対策としては各カードの説明で十分です。

1. 個人情報保護法

GDPR

GDPR(EU一般データ保護規則)は、EU域内の個人データを厳格に保護するための包括的な法規制であり、域外企業(日本含む)にも適用される点が特徴である。違反時には全世界年間売上高の最大4%または2,000万ユーロという高額な制裁金が科されるため、越境データ移転や同意取得の要件がG検定で頻出となる。

日本の個人情報保護法に比べ、GDPRは域外適用が強力であり、違反時の制裁金が極めて高額である点が大きな違いである。

仮名加工情報

仮名加工情報とは、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工された情報である。匿名加工情報とは異なり、事業者の内部利用に限って利用目的の変更が可能という点が試験で問われやすい。

個人識別符号

個人識別符号とは、それ単体で特定の個人を識別できる符号を指し、指紋・顔認証データなどの生体情報や、マイナンバー、免許証番号などが該当する。氏名などの記述がなくても個人情報に該当する点が重要であり、個人情報の一部として位置づけられる

個人データ

個人データとは、個人情報データベース等を構成する検索可能な個人情報のことである。つまり、個人情報のうち「体系的に整理・検索できる状態」のものが個人データに該当する。個人情報 ⊃ 個人データの関係を正確に区別できるかが重要。

個人情報

個人情報とは、生存する個人を識別できる情報、または個人識別符号を含む情報を指す。氏名や住所などの記述情報に加え、個人識別符号を含めば、それ単体でも個人情報となる。なお、すべての個人データは個人情報に含まれるが、逆は成り立たない点が頻出である。

第三者提供

第三者提供とは、個人データを本人以外の第三者に提供することであり、原則として本人の同意が必要である。ただし、法令に基づく場合や委託などの例外がある点が頻出である。

匿名加工情報

匿名加工情報とは、特定の個人を識別できず、かつ復元できないように加工された情報である。本人の同意なしに第三者提供や利活用が可能な点が、仮名加工情報との重要な違いである。

保有個人データ

保有個人データとは、事業者が開示・訂正・利用停止などの権限を有する個人データを指す。法改正により、6か月以内に消去されるデータも対象に含まれる点が重要である。

要配慮個人情報

要配慮個人情報とは、人種・信条・病歴・犯罪歴など、差別や不利益が生じやすい情報を指す。取得時には原則として本人の同意が必要であり、特に厳格な管理が求められる。

利用目的

利用目的とは、個人情報をどのような目的で利用するかを具体的に特定したものである。取得時には本人への通知または公表が義務付けられており、目的外利用の禁止が重要論点となる。

委託

委託とは、利用目的の達成に必要な範囲で個人データの取り扱いを外部事業者に任せることである。第三者提供には該当せず本人同意は不要だが、委託先への適切な監督義務が生じる。

2. 著作権法

創作性

創作性とは、著作者の個性や工夫が何らかの形で表現されていることを指し、著作物として保護されるための重要な要件である。単なる事実の羅列やありふれた表現には原則として創作性は認められない点が試験で頻出である。

AI 生成物

AI生成物とは、AIによって自動的に生成された文章・画像・音声などのコンテンツを指す。人の創作的寄与がない場合は原則として著作物に該当せず、著作権は発生しないとされる点が、G検定で特に重要である。

著作権侵害

著作権侵害とは、著作権者の許諾なく著作物を複製・翻案・公衆送信などする行為を指す。ただし、私的使用や情報解析目的のAI学習(著作権法30条の4)など、例外的に適法とされる場合がある。

3. 特許法

発明

発明とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものを指す。AI分野では、学習アルゴリズムやモデル構造、制御方法などはプログラムとして発明の対象になり得る点が重要である。

新規性

新規性とは、特許出願時点で公知でないことを意味し、すでに論文やWeb、製品として公開されている技術は新規性を失う。公開前の出願が原則という点が試験で問われやすい。

進歩性

進歩性とは、その分野の通常の知識を持つ者が容易に想到できないことを指す。既存技術の単なる組み合わせでは進歩性が認められにくい点が重要である。

知的財産権

知的財産権とは、人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物を保護する権利の総称である。特許権・著作権・商標権・意匠権などの違いを整理して理解することが重要である。

発明者

発明者とは、実際に発明を行った自然人を指す。現行法ではAI自体は発明者として認められず、人間の関与が法的に不可欠である点がG検定の重要論点である。

職務発明

職務発明とは、従業員がその職務に関連して行った発明であり、特許法第35条により定義されている。契約や就業規則により、特許を受ける権利を最初から会社に帰属させることが可能であるが、発明者への相当な対価(報酬)の支払いが義務付けられている点が重要である。

特許権

特許権とは、発明を独占的に実施できる産業財産権である。出願後、審査を経て登録されて初めて発生する点が、著作権との大きな違いである。

4. 不正競争防止法

営業秘密

営業秘密とは、秘密管理性・有用性・非公知性の3要件をすべて満たす技術情報や営業情報を指す。AI分野では、学習済みモデルや重みパラメータ、学習データの管理手法などが該当する場合がある。

  • 秘密管理性:アクセス制限や管理ルールにより、秘密として適切に管理されていること
  • 有用性:事業活動に役立つ技術情報または営業情報であること
  • 非公知性:一般に公開されておらず、容易に入手できないこと

限定提供データ

限定提供データとは、業として特定の者に提供される技術的または営業上の情報であり、営業秘密よりも緩やかな保護制度として創設された。ビッグデータの利活用促進と権利保護の両立が目的である。保護を受けるために以下の3要件を満たす必要がある。

  • 限定提供性:不特定多数ではなく、契約等に基づき特定の者のみに提供されていること
  • 相当蓄積性:相当量蓄積されたデータであり、事業活動に有用であること
  • 電磁的管理性:電磁的方法により管理され、容易に複製・配布できない管理がなされていること

5. 独占禁止法

競争制限

競争制限とは、カルテルや入札談合などにより市場における自由な競争を実質的に制限する行為を指す。AIによる自動価格設定アルゴリズムが協調的な価格操作を引き起こす可能性が、近年の重要論点となっている。

公正競争阻害性

公正競争阻害性とは、事業者の行為が市場における公正な競争を妨げるおそれがあることを指す。巨大プラットフォーマーによるデータの囲い込みや排他的取引が、AI・デジタル分野で特に問題視されている。

6. AI開発委託契約

AI・データの利用に関する契約ガイドライン

AI・データの利用に関する契約ガイドラインは、経済産業省が策定したAI開発・データ利活用契約の実務指針である。開発プロセスを探索的段階・PoC段階・本開発段階などに分け、権利帰属や責任分担、契約形態を段階的に整理する考え方がG検定で頻出である。

NDA

NDA(Non-Disclosure Agreement、秘密保持契約)とは、取引や共同開発で知り得た相手方の秘密情報を第三者に漏らさないことを約束する契約である。AI開発では、学習データやモデル構造、業務ノウハウの漏洩防止の観点から極めて重要である。

請負契約

請負契約とは、仕事の完成を約束し、その成果物に対して報酬が支払われる契約である。成果完成責任を負うため、不確実性が高いAI開発ではリスクが大きく、適用が難しい場合がある点が重要である。

準委任契約

準委任契約とは、事務処理の遂行自体を目的とし、善管注意義務をもって業務を行う契約である。成果完成責任を負わないため、不確実性の高いPoC段階のAI開発で多用される

委任契約が法律行為の処理を対象とするのに対し、準委任契約は事実行為や技術業務を対象とする点が重要な違いである。

精度保証

精度保証とは、AIモデルが特定の正解率や性能水準を満たすことを契約で保証することを指す。AIはデータ依存性が高く性能変動が大きいため、事前に数値保証することは極めて困難であり、実務上の重要な注意点となる。

PoC

PoC(Proof of Concept、概念実証)とは、技術的実現可能性や業務適用可能性を検証する段階を指す。ガイドラインでは、この段階で検証を行い、その結果を踏まえて本開発へ進むか判断する段階的契約が推奨されている。

保守契約

保守契約とは、開発後のシステム運用支援や不具合対応を行う契約である。AIシステムでは、データ変化による精度劣化(ドリフト)への対応や再学習の範囲を契約で明確化することが重要である。

7. AIサービス提供契約

SaaS

SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアを製品として販売せず、インターネット経由でサービスとして提供する形態である。初期導入コストが低く、継続的に機能改善が行われる点が特徴で、AIサービス提供の主要モデルとなっている。

データ利用権

データ利用権とは、法的な所有権が存在しないデータに対して、契約により定められた利用権限を指す。AIサービスでは、誰がどの範囲で学習・分析・二次利用できるかを明確化することが、紛争防止の観点から重要である。

利用規約

利用規約とは、多数の利用者に画一的に適用される契約条件を定めたもので、SaaSにおける基本的な契約形態である。ユーザー入力データをAI学習に利用できる条項が含まれることが多く、データ利用範囲の確認が重要である。

精度保証

ここでの精度保証とは、SLA(Service Level Agreement)に基づくサービス品質保証を指す。AI APIなどでは、稼働率や応答時間は保証しても、出力結果の正確性(Accuracy)までは保証しないのが一般的である。

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