帰無仮説とは
帰無仮説とは、統計的検定において「差がない・効果がない」と仮定する仮説です。データによってこの仮説を棄却できるかを検証します。
この用語はG検定シラバスの「37. 数理・統計」に含まれます。 章全体の用語は用語解説⑥(全52語)にまとまっています。
一言でいうと
「差はない」と一旦仮定しておき、それを否定できるか調べるための仮説です。
なぜ「ない」と仮定するのか
「差がある」ことを直接証明するのは困難です。しかし「差がないとしたら、このデータが得られる確率は極めて低い」ことは示せます。
その確率が十分に小さければ「差がない」という仮定を捨てる(棄却する)——これが統計的検定の論理です。背理法に似た考え方です。
棄却できない=ないとは限らない
ここが最も誤解されやすい点です。帰無仮説を棄却できなかったとき、「差がないことが証明された」わけではありません。
「差があるとは言えなかった」だけです。データが少なくて検出できなかっただけかもしれません。この区別はG検定対策としても重要です。
有意水準とp値
「確率が十分小さい」の基準を有意水準と呼び、5%や1%が使われます。
実際に計算された確率がp値です。p値が有意水準を下回れば帰無仮説を棄却します。
注意すべきは、有意水準は分析の前に決めておくという点です。結果を見てから基準を動かせば、どんな主張でも通ってしまいます。
混同しやすい用語との違い
| 用語 | ポイント |
|---|---|
| 帰無仮説 | 「差がない」と仮定する側 |
| 対立仮説 | 棄却されたときに採択される「差がある」側 |
🎯 G検定での押さえどころ
- 「差がない」と仮定する仮説
- データによって棄却できるかを検証する
- 棄却できない=差がない、ではない
⚠️ よくある誤りの選択肢
- 「帰無仮説が棄却されなければ差がないことが証明される」→ 誤り。「差があるとは言えなかった」だけです
📘 もっと深く学ぶ
- 数式レベルまで踏み込んだ解説 → 医療AIナビ「確率モデルにおけるパラメータ推定」(E資格向け)
関連する用語
ご利用にあたって 本ページの内容は、JDLAが公開しているG検定シラバス2024や公式テキストなど、一般に公開されている情報をもとに独自に整理・解説したものです。実際の試験の出題内容を示すものではなく、また合格を保証するものでもありません。制度・法令・試験要項は変更されることがあるため、最新の情報は必ずJDLA公式サイトでご確認ください。